生き物だより No,002

ハンゲショウ

 名前の由来

「半夏生」と書いて「ハンゲショウ」と読む。これは季節をあらわす言葉の一つで、7月始め頃をさすといわれている。
その頃に花をつけるからハンゲショウと呼ばれる。

花は細い穂状になって咲くが、花弁はない。花近くの葉が付け根のほうから白くなる。半分化粧をしたようだから「半化粧」

二つの意味が係っている。

葉は半分以上白くなる

 

花穂は始めは垂れている。

花は付け根のほうから咲き始め、先へと咲きあがる。

 

写真3
今一番咲いている部分が一番上に来る。

花に来たセマダラコガネ。

飛んできて、止まったところに花が咲いている。虫にとってもちょうどいいのだが、花にとっては花粉がメシベに届けられるかは大事なこと。花の上を歩き回ってくれるのは大歓迎。

写真3

花。一つ一つに花弁はない

クリーム色のものは、オシベの先に付いた葯(やく)
この中に花粉が入っている

中心部にある白いところがめしべの先っぽ
3つ、4つ、5つに分かれたものがある
ここに花粉がつく

写真3

一つの花。

この花には6本のオシベがあり、柱頭(花粉を受け取るところ)は4つに分かれている。

オシベの数や柱頭の分かれる数は、花によってそれぞれ違う

葯から花粉が出ているのが見える

写真3

別の花。

この花で柱頭は5つに分かれている

オシベは7本

 

写真3

葉の裏を見ると緑色のまま。

葉の表面を浮かせて、乱反射で白く見せているのだそうだ。

光が届いた分だけは光合成をしているのだろう。

花が終わってしばらくすると、白さは薄れてくるが、完全には元に戻らない。

花弁は葉が変化したものといわれていて、その証拠といわれている花。

進化の途中にある花なのだ。

目次へ  Topに戻る    2010.7.6