生き物だより No,005

ヘビイチゴとヤブヘビイチゴ

   

 ヘビイチゴは毒?いえいえ!


 ヘビイチゴを知っている人は多い。そして、その多くの人が「食べられないのよね」 という。

 ヘビイチゴの実に毒はない。食べても害はない。でも多くの人が毒と信じている。  

 「食べられない」に二通りの意味がある。一つは「食べてはいけない」で、もう一つは「食べても美味しくない」
 「食べてはいけない」という場合は毒がある、または渋いなどひどくまずいものを指すのだろう。
 もう一つの「食べられるが美味しくない」のがヘビイチゴ。とはいえ、まずいわけでもない。甘くもすっぱくも苦くもない。味がないのだ。
 この、「味がない」が「食べられない」といわれるようになり、「毒がある」になったのは、「ヘビ」という語感がかかわっているのかもしれない。

 同じようにヤブヘビイチゴも食べられる。こちらのほうが実が大きいし、みずみずしそうだ。この実を集めて煮て真っ赤なジャムを作る。ヨーグルトに入れるときれいなピンク。

 

 ヘビイチゴとヤブヘビイチゴの違い


ヘビイチゴ

花弁の間からとがったガクは見えるが副ガク片は見えない

葉の色は黄緑色


 

ヤブヘビイチゴ

花弁の下に緑色の副ガク片がみえる

葉の色は緑色


ヤブヘビイチゴの実

つやつやしている

 

花から実になるまで


 

 

写真5

ちいさなアブがヘビイチゴの花にきた

アリも来て蜜をなめている。

アリやアブは蜜をいただく代わりに受粉の手伝いをする。

花の終わりころには中心部が赤くなってくる

赤くなってもまだ種子は熟していない。まだ鳥に食べてほしくないから、もう一度ガクを閉じている。

実が熟したら、またガクを開く

子供のころから見慣れていたヘビイチゴ。でもよく観察してみたら、ヘビイチゴはヘビイチゴなりの暮らし方があった。

       目次へ  Topに戻る      2011.5.7