2002年4月発行支部長挨拶前支部長 松本順吉 初代支部長、新津さんの後を2年間の約束で支部長を務めさせていただきました。 在任中、土手の工事・川久保公園・古利根川緑道計画などで、行政との交渉・話し合いがことのほか多くなりました。また、学校の環境教育活動にも協力してきました。 この間、スタッフに強力にに支えられ、何とか職責に耐えられました。 幸い、行動力と信望のある三好あき子新支部長に引き継ぐことができました。今後は一役員として参加してまいります。 古利根ふれあい観察会は楽しみながら自然にふれあい、話し合える機会となっています。会員の皆様のご参加をお待ちしています。 新支部長 三好あき子 今年、松本さんから支部長というバトンを受取りました。松本さんや他の役員たちと自然の楽しさ、大切さを伝えたいと活動を続けてきました。その途中、自然が失われそうなことに気づき、何とかしなくてはと市役所や中川河川事務所などに出かけました。 春日部という町は人口も増え、ふと気づくと、この間までどこにでも見られた生き物が、探してもなかなか見つからないという町になってしまいました。私たちの足下にある小さな自然は、ほんの些細なことで失われてしまいます。あまりに身近でそこにあることも忘れてしまいそうです。でも、ゆっくりと足下に目をやれば小さな花が咲き、小鳥や虫たちが息づいています。 まだ今なら間に合うと信じて、この先も仲間とともに活動していきたいとおもいます。 |
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「古利根川の自然ふれあい観察会」から小沢典夫 この一年、毎月の定例観察会は天候に恵まれて12回とも開催できました。そのほかに春日部市などが開催した行事もあり、これらを加えると、合計16回の観察会を行い、のべ450人の市民に古利根川の自然を観てもらうことができました。(各月の詳細は活動案内の報告2001年度をご覧下さい) 2002年度も古利根川を核とした“自然ふれあい”活動を続けていきます。どうぞよろしく。 |
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自然観察会に参加して並木章 市の広報で、自然観察会があると知り、子供と参加することにしました。 9時半、藤塚橋に行くと、親子や家族で来たのでしょうか、 虫取り網をもった子供たちがいっぱいいました。 その日は、昆虫採集もかねた観察会とのこと。 参加費は100円です。パンフレットを頂きました。 さて、これから何が始まるのか、人の輪の後ろから見ることにしました。 はじめに、川の水の様子を調べるそうです。 飯山さんという方がおもしろおかしく、小さい子にも分かるように川の水のお話をし ます。 簡易検査パックを使い、溶存酸素(DO:水中の酸素量)や化学的酸素要求量(COD:水の汚れ具合)を調べます。そして透視度も。 にわかに青空理科室になってしまいました。川の水の汚れ具合がよく分かりました。 次は、土手を歩きながらの植物、昆虫、水鳥の観察です。 子供たちは、昆虫を求めて、どんどん先へ行ってしまいました。 頭上ではセミが鳴き、足元で驚いたバッタが横っ飛びし、目の前をアオスジアゲハが 飛んでいきます。 いろんな人が来てました。郷土史にくわしい婦人、小学校の先生、環境問題に関心の ある人たち・・・。 それぞれが、筆記用具、虫めがね、双眼鏡、植物図鑑などをもち、そしてゴミを拾い ながら ゆっくり土手を歩きます。 小学校の元校長先生がそのグループの代表者だそうです。 ときどき立ち止まっては、その先生のお話を聞きます。 「この花も10倍に拡大してみると、どうですか?きれいでしょう。」 10倍に拡大して見たヘクソカズラの花は驚きです。 ちょっとイタズラして、息子に、花を揉んで匂いを嗅がせてみました。 「うわー、くさーい、なにこれ?」 ヘクソカズラは別名「早乙女花」といわれるアカネ科の花だそうです。 土手には、ツユクサ(露草)も咲いていました。 わたしの大好きな野草です。 「この花も10倍に拡大して見ましょう。」 花びらの青色が光って見え、自然が創り出す色の美しさに心がうばわれてしまいまし た。 「川の砂も拡大して見ましょうか。」 拡大鏡(解剖顕微鏡だそうです。)をのぞくと、透きとおった石、黄色みがかった 石、緑がかった石が見えました。 「これらは、石英、長石、輝石です。花崗岩が風化したものです。」 自分ですくいとった川砂をこうして見るのは初めてでした。 わずか2時間で今までにない体験を次々としてしまいました。 チドリちゃん、カワウ君、また会いましょうね。 手にしたゴミ袋もいっぱいにふくらんでいます。 土手も少しだけどきれいになりました。 もっと、もっと自然の美しさを見たい。もっと、もっと発見と感動をしたい。 そんな気持ちにさせた自然観察会でした。 |
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土手の道の生態松本順吉 土手の道は、人と川のかかわりや自然の状態を告げてくれる指標である。 そこには轍のように土のむき出した二本の獣道のような踏み分け道ができる。人通りが多いと道の幅は広くなり、少ないと狭くなる。さらに土手そのものの幅が狭くなったり、人通りが少ないと道は一本になり、利用者が極端に減ると道はできないで草だけの土手となる。 二本の道の間は草は生えるが、踏まれたり、土も堅いので、たくましい草だけが生存できる。反面そこは風通しもよく太陽光も充分だ。面白いことにここの顔役(優占種)は在来種のオオバコ・カゼクサ・チカラシバなどで、個体数でも日本勢が圧倒している。草刈にも強い多年草なのだ。 一方、土手の斜面で我が物顔に背伸びして集団でのさばってきた帰化植物のイヌムギやネズミムギはこのエリアでは育たない。土手は野草間の種の生存競争の場である。 これらの野草は犬様や人間様の散歩などの邪魔者としてあるいは醜い雑草としてさまざまな方法で除草されるのが当たり前であった。 浅草の隅田川の土手は草がなく、死の土手だ。産卵場所を失ってバッタやコオロギも消えた。虫の音を楽しんだ日本の文化も消えつつある。 土手の野草は、それを食する虫の野鳥などと密接なかかわりをもつ。そこには生産・消費・分解者など生態計が存在する。幸いにもこの古利根には生態系がまだ残っている。虫を追い、小魚が釣れるぬくもりのある原風景を、生命あふれる古利根川を守れるのは今のところ私たちを除いて多くはない。 |
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春日部支部この1年のトピックス小沢典夫 ☆堤防の「遊歩道計画」への対応毎月、自然観察会を行っている古利根川(野田線付近〜藤塚橋の右岸)で、昨年、春日部市の遊歩道整備計画が持ち上がりました。この計画は、観察会のコースになっている昔ながらの草の堤防に、原則3mの幅員で遊歩道をつくろうとするものでした。 私たちがこの動きを察知し、市役所で工事内容を聞いたのは昨年の6月。「計画は地元の強い要望によるもので変更できない。9月に着工する。」と言われ、ショックを受けました。、8月には市長あてに計画見直しの要望書を提出(市が工事延期を表明)、市役所の記者クラブで「計画に異議あり」の記者会見(4紙が取り上げ報道)。以来、担当の公園緑地課と、現地同行調査を含め数度の交渉を行いました。 その結果、11月になってようやく市側との歩み寄りができ、合意が成立。結論は、(1)堤防幅が広く踏み跡が2本に分かれてある区間(緑小付近の延長500m)では、中央の草地を保全するため両側での歩道(2本)整備とし、その幅員は各90cmに抑え、一部には植生復元の試行として緑化ブロック方式を採用する。 (2)それ以外の区間(延長計540m)では、中央に1本の歩道整備とし、幅員は100〜I20cmにする。(3)いずれの区間も、舗装材は真砂土のみにする、というものです。 この間、県協会には、色々と助言や側面支援をしていただきました。市の公園緑地課とは、途中ギスギスした場面もありましたが、最後には「これからは意見や提案があったら、早く言ってくださいね」と周辺の公園整備予定地の地図を渡してくれました。観察会に参加し応援をしてくださった会員、市民の皆さまにもお礼を中し上げます。 ☆野田線近くに「古利根川の自然」の看板が 埼玉県の中川・綾瀬川総合治水事務所が、野田線鉄橋近くの川久保公園前面に「古利根川の自然」の看板を設置しました。同事務所には、これまでも古利根川のヨシ原保全や草刈り等の配慮をしてもらっていますが、昨年、川を訪れる市民向けに自然解説の看板がほしいと話したところ、早速、堤防に立派な看板を立ててくれました。 看板は、縦1.2m、横幅2mで、古利根川の夏と冬の自然の特徴や見られる野鳥を絵つきで解説。それらの内容は当支部の提案によっていますが、市民団体では到底つくれないような立派な看板です。また、裏側は市民が自然観察の情報やPR資料を自由に展示できるようになっています。皆さんも、ぜひ一度ご覧になってください。 ☆市の公園事業との連携も 春日部市が整備中の川久保公園内にできた「野草観察池」で、市の了解を得て、植生復元に取り組むことになりました。昨年は、まだ試行的な段階ですが、アサザ、ワレモコウなどの植栽を始めたところです。 また、前述の遊歩道計画をめぐる市・公園緑地課との話し合いの中で、藤塚橋の下流・左岸に「藤塚緑地帯」と呼ばれる公園計画があることを知りました。予定地は川沿い1kmにわたる休耕田跡や草地状の土地で、公園整備は2003年度以降になるとのこと。今後、自然生態系の保護・復元に配慮した整備計画について提案し、市側との協議を進めていくつもりです。 |
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平成13年度活動報告 ・ 定例古利根川ふれあい観察会毎月第3日曜 12回(詳細は別記事) ・ 中央公民館主催観察会 講師 5月12日 植物観察 中央公民館〜八幡神社 2月9日 野鳥観察 公園橋付近 ・ 県下一斉ガンカモ調査 参加 1月12日 古利根川橋(4号バイパス)〜公園橋 ・ 学校教育 4校5回 6月6日 大場小3年 昆虫 6月12日 武里小4年 野外観察 6月18日 八木崎小 野鳥・植物・川 6月28日 大場小3年 昆虫 12月13日 上沖小 森林破壊と動物の絶滅 ・ ボーイスカウト協力 3回 6月3日 3月3日 3月10日 ・ 役員研修 5月27日 樹木について 講師 堀大才 ・ 埼玉県東部自然観察会(STN) 協力 12月2日 藤塚橋〜左岸下流 ・ 古利根川一斉清掃 参加 3月24日 藤塚橋下流右岸 カワセミの森の清掃 |
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市民レベルの啓蒙活動「地球環境時代の幕開け」飯山健次郎 「水は人間を含めて生物にとってかけがいのない資源である」なんだそんなこと、それがなんなのか……といわれるのがオチである。生態系学らしきこの学習「定例古利根自然ふれあい観察会」。いろいろなことに難しさを覚えることがある。植物、動物、人間を含めた生物まですべてに通じること、地球環境を考えさせられるからだ。自然界のことはわからないことが多い。 生態系保護の活動の難しいことがここにある。水質に限らず環境問題には古くから「環境論者」と「開発論者」の二項対立の構図がある。「環境基本法」の基に関係7公害法、その他防止法、措置法がある。市町村条例もある。また、国際間の取り決めがある……条約、議定書、協定、宣言。すべて文章だけでいいのか? 水と水質に関するさまざまな問題に無縁でいられる人はいない。その意味でも一人一人の行動と意識が、これからの水と人間の未来を決めていくことになる。 水と水質に関する「自然のしくみ」について勉強しよう。法律の文章のなかの「環境」というテーマではない。考えよう、話し合おう、会員大募集、自然大好き人間よ、集まれ。 こどもたちは社会の目撃者である。 未来のこどもたちのためにも啓蒙活動を進めよう。 平成13年度 水質測定記録
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こどもエコクラブPiPi活動報告土田貴子 一年間、支部活動の一環として、こども対象のさまざまなイベントに取り組んでまいりました。下記活動における延べ参加人数165名。いろいろなこども達に、四季折々のみじかな自然と親しんでもらうことができたと思います。 2001年 4月7日(土) 手打ちうどん・野草のてんぷら・よもぎの草餅 5月5日(土) 田植え・かみしばい・自然観察会(たんぼ周辺) 6月10日(日) 古利根川観察会「チョウと野鳥」 7月14日(土) マンガ本、チラシなどを使って簡単はがきづくり 9月9日(日) 稲刈り・ザリガニ釣り・新米のつかみどりなど 10月27日(土) どんぐりクッキング(スダジイのご飯・お茶・クッキー) 11月23日(金) どんぐりカレンダーづくり 12月23日(日) まつぼっくりと小枝のクリスマスツリーづくり 2002年 2月24日(日) ビーズでショウジョウトンボのブローチづくり じゅずだまの指輪、ブレスレットづくり ぴぴ通信No.31〜No.38発行(総部数200) 勝手ながら、今年度をもちまして、通算5年間にわたる・こどもエコクラブ「ぴぴ」のサポーターとしての活動に、ピリオドを打つことにいたしました。今までご支援、ご協力いただきました多くの皆様に、厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。 みじかな自然と季節感をテーマに、これからも、こども達がもっともっと自然と仲良しになるためのきっかけになるような活動をしていきたいと、気持ちを新たにしています。 |
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市内河川調査に参加して三好あき子 環境推進協議会市民部会に2001年秋から参加した。環境推進協議会は2001年2月に発足したということで、市民として環境に何ができるかを考え、市民とともに環境を守っていこうと活動を始めるところだった。 春日部を代表する環境のひとつとして川を考えたい、そのためにはまず市民部会の中で、川の調査をしようということになり、手分けして、歩いて観察した。春日部には大小たくさんの川があるが、そのうちの主な9河川(古利根川・中川・古隅田川・会之堀川・安之堀川・倉松川・隼人堀川・八間堀・中の堀川)を歩いた。 ・ 春日部の川は本当の川というのはない⇒古利根川は用水と排水の両用だが、それ以外の川は排水路 ・ その中でも会之堀川、安之堀川、中の堀川、八間掘の4河川は殆どが三面護岸(両岸・川底ともコンクリート)で、川というよりはどぶの広いもののよう ・ 人が通るところ、車がとまるところはゴミが多い ・ 川岸には殆ど木がない ・ 古利根川はまだ自然護岸が多く、鴨が土手に上がって草をついばんでいたり、貴重なキタミソウの群生地があったりする。 ・ 春日部の市境を流れる中川、隼人堀川、倉松川もまだ自然護岸の部分が多く、セリやヒガンバナの群生があり、カワセミも見られた ・ 古隅田川は川の始まりが岩槻市の排水で、その後もあちこちから排水が入り込んでいるが、川岸は自然護岸のままで、樹木もあり、水の浄化ができればカワセミも来る川になれる ・ また、この古隅田川の周りには元の土手が残されており、春日部市内では公園として維持されている 等がわかった。 川を歩くという経験は大変楽しいものだった。私が気づいていない自然を発見することもできた。一方で、人間が環境を汚しているという事実を再確認した経験でもあった。 また、川の水が自然とはかけ離れたものになっているということも知った。春日部市の飲用水は江戸川からとり、汚水処理した水は下流の松伏町で中川に流される。また、下水道に流されていない排水はそのまま川に注ぐ。私たちが見ている水は農業用水か、雨水、排水ということだ。この水で生き物たちは生きている。何とか水の浄化を考えないといけない。 |