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2009年4月発行

支部長のつぶやき

                 

支部長 三好あき子

 毎日、犬と田んぼを一回り散歩するのが私の日課。毎日歩いていると、田んぼにも一枚一枚個性があるのがわかってくる。ヒメタニシが多い田んぼ、ホウネンエビが出る田んぼ、コナギの花が咲く田んぼ。
その散歩コースの一角に、今年一月、測量がはいり、境を示すコンクリートの棒が打ち込まれた。何が始まるのだろうと思っていたが、三月末、ロードローラーが田んぼを平らに伸(の)していた。聞けば、カー用品専門店ができるという。この田んぼにはアメリカザリガニがどっさりいたし、ホウネンエビも泳いでいた。
 田んぼが店舗になるなどということは、日本中のどこででもおきていることなのだろうし、いちいち気に留めても仕方ないことなのかもしれない。
しかし、どこにでもいたはずの生き物が、気がつくといなくなっている、ということも、日常茶飯事。このあたりでは、もうヘイケボタルを見つけるのは難しい。それどころか、メダカを見つけた!と思ったら外来種のカダヤシだったというのも、ふつうのことになってしまった。
 私たち人間は、人間だけで生きているのではなく、多くの生き物とともに生きているということを、ほんの少しでも気にかけてほしい。ロードローラーの下で踏み潰されている生き物達のことを思いながらの、つぶやき。


「古利根川の自然ふれあい観察会」から

                                                

小沢 典夫

2008年度、古利根川では毎月第4日曜の定例観察会を11回、その他の水鳥調査などを含めると計14回の行事を行いました。
 以下は、毎回の観察会の記録です。一部は青柳雅子さんに協力してもらいました。

 4月27日 曇〜晴 16人(内ジュニア1人)水質:COD5ppm,DO5ppm,透視度50cm
 草の緑とカラシナの黄色が美しい堤防を上流方向へ。草むらにモンキチョウ、ベニシジミなど多くの蝶。鳥は少数のヒドリガモ、顔黒のユリカモメ、大声のカイツブリ、飛び交うツバメなど。ゆりのき橋の湿地は完全に埋め立てられてしまった。川久保公園の植生管理地でナガボノシロワレモコウ、タコノアシと少数のフジバカマの芽生えを確認。

 5月25日 雨天中止

 6月22日 曇〜雨 7人(内ジュニア0人)水質:COD欠測,DO4ppm,透視度50cm
 小雨模様の天気で参加者少数。堤防は草刈り直後で、草花が少なくゴミが多い。水面にカイツブリ雛3羽の家族、川久保公園手前の水辺でサデクサの花、実が大きくなったオニグルミ、対岸とこちら岸の葦原で歌うオオヨシキリ。公園の植生管理地でタコノアシを確認。

 7月27日 曇〜晴 21人(内ジュニア0人)水質:COD5ppm,DO7ppm,透視度45cm
 ふれあい大学の学生さんが参加、にぎやかに出発。草むらには小さなバッタ類やシジミチョウが多数、緑中わきの水路でハグロトンボ数頭。川岸の数カ所に特定外来種のミズヒマワリ、その一方で絶滅危惧種のトチカガミ、サンショウモを発見。野田線近くの入り江はアサザとヒシが繁茂、公園の植生管理地でナガボノシロワレモコウが咲き始めた。

 8月24日 曇〜雨 8人(内ジュニア0人)水質:COD5ppm,DO5ppm,透視度50cm+
 夏休みの虫取り大会を予定していたが、あいにくの天気で子どもの参加はゼロだし、草むらは濡れて虫の動きもにぶい。緑中の桜並木でアブラゼミとツクツクホウシ。川の水辺に夏鳥のチュウサギ2羽。野田線下の中洲で水面から葉を伸ばすヒシに小さな白い花。

 9月28日 曇 24人(内ジュニア1人)水質:COD5ppm,DO6ppm透視度50cm+
 川久保方面に歩いていくとサクラタデが咲いていた。他のタデと比較したいがヤナギタデが見つからない・・ゆりの木橋の湿地に生えていたのに埋め立てられてしまい残念。水辺ではダイサギ、カイツブリ、カルガモが集団でお昼寝。アシとガマが穂をつけ、モズが秋を告げる。参加者が各自興味をもったものをそれぞれのペースで楽しんでいた。(青柳)

10月26日 曇 11人(内ジュニア1人)水質:測定せず
 川の水が少なくなった。土手は草刈り後だったが斜面の草は今回よく残され、センダングサの仲間やヨメナの花を見る。水辺の鳥はヒドリガモの群、イカルチドリにセグロセキレイと冬の顔ぶれ。川久保公園の植生管理地で、見事に紅くなったタコノアシを楽しみながら、セイタカアワダチソウなど抜き取り。

11月23日 晴 22人(内ジュニア0人)水質:COD5ppm,DO6ppm透視度50cm+
 冬のコースの左岸へ。藤塚橋の上流ではユリカモメがお目見え。ムクノキの実を試食し、オニグルミの実を拾う。久しぶりに向かった下流ではゴミの多さにビックリ・・しばしゴミ拾いタイム。かわせみの森ではカワウ、オナガ、アオサギが木の上に。キタミソウを皆で記念撮影。(青柳)

12月28日 晴 17人(内ジュニア1人)水質:COD5ppm,DO7ppm透視度50cm+
 左岸上流の干潟ではカルガモ、コガモ、ヒドリガモの群にイカルチドリ、セグロセキレイ。下流に向かうが、かわせみの森に鳥がいない。なんかヘンだな?と話していると、林の中からオオタカがふわり。風が強くなり、その後も鳥の姿は少なかった。

 1月11日 晴  8人(内ジュニア0人)水質:測定せず
 恒例の県下一斉ガンカモ類調査に参加し、古利根川橋(赤沼)〜橋上公園(粕壁)間で水鳥のカウント調査を実施。確認できたカモ類はヒドリガモ162羽、カルガモ106羽、コガモ88羽、ハシビロガモ3羽、アメリカヒドリ1羽の5種360羽で、前年(5種411羽)に比べ羽数減少。他にはカワウ5羽、カイツブリ5羽、ユリカモメ57羽、イカルチドリ19羽など・・当地初確認のオジロトウネン1羽も。

 1月25日 晴 13人(内ジュニア1人)水質:透視度50cm+
 上流の干潟でコガモ、マガモ、ハシビロガモなど。下流へ向かい、草の間でじっとしているカイツムリ、かわせみの森の岸でカワウ7羽。その先でカワセミが登場、皆が「待ってました」とばかり観察、さらにホバリングのサービスに目が釘付け。帰りの藤塚橋でもまたカワセミが。カワセミの度々の登場に満足した観察会だった。(青柳)

 2月6日 晴 27人(内ジュニア1人) 水質:測定せず
 中央公民館の野鳥観察会。集合地点の公園橋でカイツブリ、コガモ、オオバンなど観察。4班に分かれて下流へ。皆を歓迎するようにカワセミが登場、ホバリングを披露。カルガモやツグミの水浴びを観察後、上流へ引き返すと上空にオオタカ、船の上でイソシギが日なたぼっこ。多くの市民に環境への関心を持ってもらうことを野鳥たちと願いつつ観察会を終了。(青柳)

 2月22日 晴 24人(内ジュニア1人) 水質:COD5ppm,DO5ppm、透視度50cm+
 右岸上流へ。干潟に休むコガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモの羽色が鮮やか。土手にはオオイヌノフグリ、シロバナタンポポの花。川久保公園のアシ原にオオジュリン数羽。公園に市内の自然観察事業(春日部サンデー)で作成した看板を立て、樹木の名札を付けた。名札の樹木は継続的に観察していきたい。

 3月 8日 曇 50人(内ジュニア0人) 水質:測定せず
 春日部市の呼びかけによる古利根川一斉清掃に参加、藤塚橋下流右岸の通称かわせみの森の川岸にたまったゴミを拾った。大量のゴミ持ち出しは「ふれあい大学」24期生の皆さんの応援をいただき、感謝。

 3月22日 曇 12人(内ジュニア1人)水質:COD5ppm,DO5ppm,透視度50cm+
 藤塚橋を渡り左岸へ。土手にホトケノザとヒメオドリコソウの花。上流の干潟は数羽のコガモとコチドリが1つがい。下流の緑道でカントウタンポポの花。かわせみの森の水辺はゴミが少なく気持ちいい。その木立の中からキィキキキ・・とツミのような声。川の上をツバメが舞い、春も本番。

 なお、この度『古利根川の自然ガイド』という小冊子を刊行しました。これは1995年に始まった「古利根川の自然ふれあい観察会」の様子や四季の解説テーマを収録しています。1冊500円でお分けできますので、ご希望の方は観察会の際にお申し出ください。

追記:『古利根川の自然ガイド』は、サイサン県境保全基金の助成を受け、市内小中学校、図書館、公民館などへ寄贈しました。お近くの公民館、図書館などで、ご覧いただけます。(三好)

谷原親水広場とホタル

               

土田 貴子

                               
 谷原親水広場(雨水調整池)でビオトープ管理作業のボランティアを続けている私達は、この広場がヘイケボタル(春日部にいるホタルの種類)の暮らす場所として適しているのではないかと考えました。ここには、大小の池と水路があり、水の中にはヘイケボタルの餌となるタニシ、モノアラガイガたくさんいます。除草剤や殺虫剤が散布される心配も無く、めりはりのある多様な草刈が可能です。
ホタルが幼虫の時期過ごす水の中、さなぎの時期を過ごす湿り気の保たれた土、卵を生み付ける水の上の草やコケ。水、土、植物が織り成す自然環境は、ホタルはもちろん他の生き物が生きていく上で欠くことのできない大切な要素です。誰もが大好きなホタルの観察を通し、身近な自然を見直すきっかけになればと思うのです。人間の心にやさしく語りかけるかすかな光が自然を守る大きな力になると信じています。
2006年と2007年に幼虫の放流を試み、成虫が確認されました。2008年には自生に至ったと推測される状態になりましたが、生息数を増やすため、幼虫を放流しました。今後はホタルが繁殖を続けられる環境を整えることに重点をおいて活動します。

ホタルは自生したか?

               

両角 實

親水広場を散歩しているご夫婦から『1週間前からホタルを見ているよ』と聞いたのが昨年6月10日でした。
さっそく、夜の観察をはじめると、思いもよらず、せせらぎの湧き出し口のある一番上流部あたりにホタルがいることが分かりました。もしかして、昨年からの幼虫が冬を越したのか、それとも自生したものかと内心ワクワクしながら目をこらしてホタルの光を探しました。さらに驚いたのは、法面よりも、歩道側の草むらで光っているものが多かったことで、観察初日は30分程で9匹を観察することができました。
観察を一人でしたこと、時刻も7時台〜10時頃までの間と一定していませんから、正確さに難点があることをお断りして観察結果を報告します。
ホタルの寿命は7〜10日位と聞いていたので出来る限り観察を続けようと、次の夜から毎日観察したため、ビール断ちが3ヶ月に及ぶことになってしまいました。
以下、観察記録です。

7月初め頃まで:毎晩観察に行くのが楽しみでしたが日を追って少なくなり、7月9日には1匹観察できただけで、探しまわっても見ることが難しくなりました。7月8日と10日に幼虫を下流部に放流するとの事で、観測数の記録を打ち切ることにしました。
7月中旬頃:せせらぎ下流部で光り始め、休日になると見学者が増えてきました。ここにはホタルが生息できる環境があること、せせらぎの歩道からホタルを見ることができること、ホタルの保護は点や線でするのではなく、面でする必要があることなどを、見に来た方にお話しました。生きもの達を守る環境の大切さを知ってもらうのにホタルは象徴的な存在であると思ったからです。幼虫は川底にいても光り、上陸していく様は幻想的でした。
7月21日:親水広場の草刈がはじまり、せせらぎの両側はしないように依頼していましたが、せせらぎ上流部を刈りはじめたのであわててストップしてもらいました。その夜、枯れ草の上を注意深く見ると数匹観察できましたが、翌日以後は見ませんでした。
8月:下流部に放流したホタルが20〜30匹も見ることができるようになり、見学者で賑わうようになりました。高校総体(8月2日〜8月7日まで開催)の関係者の人達には癒しの場と時になった様子でした。
8月13日(8:25〜):思いがけず、谷原中学校グラウンド寄り道路のロープに羽化しているセミがいて、羽を伸ばしていたり、おちつき場所を探しているのか動き回っているものなどあり、観察する機会に恵まれました。
8月15日:巡回中の警備員の方に、「数日来光っているホタルは放流されたもので自生のホタルと違う」と説明しましたがどこまで理解してもらえたか。
8月22日(8:10〜):いよいよホタルを観察できなくなりました。
9月1日:観察できなくなっても未練がましく足を運んでいましたが来年(平成21年)はせせらぎ上流から下流までホタルを見ることができるよう念じて観察最終日としました。
3ヶ月間ありがとう。


春日部・サンデー

                   「いきものうきうき みんないきいき」のキャッチフレーズ、「日曜日は自然を見つけに出かけよう」をサブテーマに"春日部?サンデー"が開催されました。主催者は海DPの長本光さん、春日部支部は講師として協力しました。
毎回大勢の方が参加され、自然と触れ合いました。また、支部にとってはイベント性の高い企画は初めてのことで、いい意味で勉強になりました。あらゆる意味で、大変有意義なイベントだったと考えています。
以下、主催の長本さんからの報告と、参加者山下さんの感想文です。

いきものいきいき みんなうきうき!?

長本 光

昨年10月から毎月1回、自然ふれあいイベント"春日部?サンデー"を4ヶ月にわたって開催、埼玉県の「みどりの埼玉づくり事業」の一環として春日部市内4箇所(湿地・雑木林・市街地・河川)の自然を観察しました。数多くの方々にご参加頂きました。ありがとう御座いました。ここで参加できなかった方のために内容を簡単に振り返ってみましょう。(事前広報が十分至らず、すみませんでしたと反省の意を込めて。)
@「水辺の生き物探し」 谷原親水広場(ウイング・ハット春日部)
・・・春日部の自然を再現した湿地ビオトープで、名札付けゲームや水中の生き物探しを行いました。魚の種類には驚きました。
A「里山ウォッチング」 西金野井雑木林
・・・江戸川沿いに広がる雑木林で"里山ウォチング"を行いました。大きな木をマクロに調べて、落ち葉をミクロに観察して、雑木林の働きを考えました。
B「自然と歴史の探検隊」 中心市街地
・・・粕壁宿の歴史を紐解きながら、身近な自然を深く掘り下げて観察しました。小雨の降る寒さの中でしたが、熱心な参加者に私達はとても温かな心持でした。
C「大落古利根川ツアー」 川久保公園
・・・春日部市を象徴する大落古利根川の歴史と文化を、歩きながら感じる催しでした。野鳥の数は少なめでしたが、カワセミのホバリングは実に見事でした。

このイベントで出来上がったものは谷原親水広場と川久保公園の看板と樹名札、里山雑木林を紹介する素敵な紙芝居、そして!地元の自然を再発見して下さった皆さんの温かい心です。
"春日部ビオトープ?プロジェクト"はまだ始まったばかりです。どうぞ、ご支援とご協力を宜しくお願いします。我々人間を含めて、多様な生き物が元気に暮らせる街づくりを一緒に進めてゆきましょう。
いきものいきいき みんなうきうき!


春日部サンデーに参加して

山下久子(春日部市)


 昨年12月、春日部サンデー第3回「自然と歴史の探検隊」の街歩きに参加しました。普段なにげなく通り過ぎているところが謂れのあるところだったり、こんな所にこんなものがと驚く発見があったりと、春日部に越してきてから20年近くなるのに知らないことがたくさんあって、なんだかどんどん楽しくなってきました。文化会館の周りにあんなにたくさんの木が植えてあるとは。季節ごとにまた見てまわろうと、今年の計画にゲットです。
 1月には、第4回「大落古利根川ツアー」で、水鳥や樹木の観察も。川に浮かぶかもたちの色彩のすばらしさ!ユリカモメって結構大きいし、カワセミまで見た。じっくりと観察するということがなかったので、とても新鮮でおもしろい。川久保公園では、寒い中、生き物案内板のためのイラスト描き。これでいいのか?と思っていたのに、夫の絵ともども、案内板に載せていただいて感激です。
 家の周りにも、メジロ、ヒヨドリ、シメ、シジュウカラ等が時々訪れ、そっと眺めています。そうそう、ゴイサギの子どもがいてびっくりしたことも。
 これからも、自然の中に身を置いてゆったりと過ごしたいと思います。

自然が一番

               

青柳 雅子

谷原の親水広場を初めて訪れ作業に参加したとき、そこがこんなにも手を加えられている場所とは思わなかった。一見ただの茫茫と生えているアシもオオヨシキリという生物が息づくための場所であり、わざと茫茫に生やしているということや、草などもただ全部刈り取るのではなく、元来そこにいる生物を生存させるために刈るところを決めているのだと知った。
 そんなことを知らなければ、草をはやしたままにせず、見た目のきれいな花でも植えたらいいという意見に賛成したいたかもしれない。しかしそれは在来種をなくしてしまうことにつながり、自然にはよくないということを知った。ただやみくもに花を植えればいいというわけではない。外来種の花を植えることは生態系を狂わすことになるのである。
 自然を残すには、一人一人の正しい知識と理解、そして協力が必要なのだと思った。知る事に意義があり、参加する事にもっと意義があるのではと思った。そんな事を踏まえて、私も協力していこうと思う。


 お友達尋ねて三千里

               

土田 貴子

 

 第四子は男の子だ。1歳2ヶ月で歩き始めた。公園デビュー、お友達づくり。ため息が出る。息子がデビューを待ち望んでいたとしても、私は勘弁して欲しいのだ。
 私のイメージでは、公園は母親の社交場と化していて、子どもの存在は薄い。のびのび遊び出せば、母親にお砂場に連れ戻される。「ここで遊んでなきゃダメでしょ(ママがお話しできないじゃない)。」って。それにしても、母親の意の通り、おとなしくしている児のなんと多いことか。育て方かな?
 とりあえず行ってみるかと意を決し、目的の公園に到着。だれも居ない。「ホッ。」そうかまだ9時だ。1時間ほど喜んで遊んでいたところに、次から次へとお友達(候補)登場。山のようなおもちゃが砂場を覆う(おいおい野外だぜ)。我が家の切り札、「静かにしててね電車ビデオ、それでもダメなら必殺おやつ攻撃」と、「ここで遊んでてね山ほどおもちゃ」は似てるよなぁ。
 わが息子は見慣れないおもちゃに興味津々。目がキラキラと輝きヨダレが垂れてる。肉を前にした犬みたい?奇声を発しおもちゃに突進、こんにちわも貸しても省略し、ひとつをつかむと猛ダッシュ(奪取)。「お友達のおもちゃだからダメ。」と取り上げると、座り込んで大泣き、その場がいっぺんに白けた。抱きかかえ、他の場所に移動しても、おもちゃの魅力にとりつかれた息子はお砂場に舞い戻る。私はゲッソリ。早々と退散した帰り道、息子用のおもちゃを購入。とりあえずシャベル、バケツかな。
 翌日リベンジ。買ってあげたおもちゃは10時まででお払い箱。前日と同じ悪夢が再現される。「どうぞ使っていいのよ。」の言葉に甘えたのもつかの間、どうやら全部自分の物にしておきたい気配。お友達のおもちゃを次々とひったくる。「すみませんっ。」を連発し退散。息子はデビュー早々引退した。
 その後は(5月で2歳)遊具も砂場もない広場(谷原親水広場です)で広い空間を思いきり駆けずり回る毎日に落ち着いている。一番のお友達はもちろん私。おもちゃは石や葉っぱ。遊具は坂や階段、飛び石。春になりタンポポ、ホトケノザ、ナズナの親友ができた。チョウや野鳥にも果敢にアプローチ。でもお友達にするには修行が足りないな。あっさりかわされ、悔しさを募らせている様子。これから先、セミやカマキリ、トンボにバッタ、クモ。いろいろな虫たちに出会えるよ。頑張れ、息子よ。
 私自身も、とても楽しい。広場を散歩する人に、こんにちわやバイバイをし、頭を撫ぜてもらってご機嫌な息子には、そのうち年の近いお友達もきっとできる・・・かな?
 でも本当は、子どもを育てながら自然観察を楽しめる、支部活動にも参加してくれる、そんな私自身の友達がたくさん欲しいのだ。「誰かいませんかー。」消極的お友達捜しの旅は続くよ、どこまでも・・・。


 春日部散歩に参加して

               

須田恵子(幸手市)

春日部散歩ではいつも感心することがあります。それは地図のコピーを用意し、歩いたルートを朱書きしていること、樹木、野草、鳥、虫などを、区域を分け記録していること、リーダーの三好さんはもとより、他の会員たちも知識が豊富であることなどです。そのどれもが私にはない分野です。皆と一緒に歩くと説明から知識を得、おしゃべりから学び、とても楽しく勉強になります。この知識が私に蓄積されないのはなぜかしら?!
 自宅近くの倉松川で見たスズメのような鳥が「カワラヒワ」や「オオジュリン」、「ホオジロ」、「タヒバリ」と区別できるようになったのも春日部散歩の折に教えられたからです。鳥でも草でも名前を知っているのと知らないのでは楽しさが違います。
散歩で新鮮な空気を吸い、気分さわやか清々とし、健康によく、勉強になり、何より一人では味わえない楽しい充実した時間を過ごせます。帰途では少しの疲れも心地よく、次回もぜひ参加したいと強く思うのです。

春日部支部の
   自然観察会及び活動に参加して思うこと

               

内藤 正

      



 埼玉県生態系保護協会春日部支部の活動に参加して早いもので3年目に入りました。
参加した活動は、春日部散歩、古利根川定例観察会、ウイングハットの親水広場の管理作業、古利根川の一斉清掃、大戸の葦原のゴミ拾い、中央公民館主催の野鳥観察会の協力及び春日部サンデーへの一部参加と少しずつ行動範囲を広げてきました。
 その中で心に残った事として


@ 冬の古利根川の定例観察会では、カモ類、カモメ類、サギ類、水辺のイカルチドリ、イソシギ、etc.と数十種の野鳥が生息しているのに感動しました。その中でも最近の観察会でカワセミのホバリングを何回も観察できたことが心に残っています。
A 春日部散歩の市外観察会で昨年3月実施された江戸彼岸桜と北本自然観察園のソメイヨシノ、東光寺の石戸蒲桜及び阿弥陀堂の寒緋桜と満開の桜の壮観さにあっとうされ、感動したことがよみがえってきます。
B 大戸の葦原は、さいたま市岩槻区・越谷市・春日部市の市境に広がる葦原。野鳥の宝庫で、葦原を回復する為のごみ拾いに参加した。その葦原は、不法投棄の多発地帯で、残土、電化製品、土木作業で使用した鋼材、生活で使用するプラスチック製品、空き缶、空き瓶、etc.と広大な休耕地の中に点在して捨てられている為、どれくらい不法投棄されているか想像もつきません。45L入りのごみ袋50袋は、10人で2時間拾うと袋が足りず作業終了となり、ごみを少し減らす程度でした。少し葦原回復の役に立ったのかなと心のなかで思いました。
C ウイングハットの春日部親水広場は、埼玉県生態系保護協会春日部支部がビオトープの管理を一部受け持っている。自然を確保する為、毎月1回維持管理活動を行っている。
今回水路保全の葦の根の掘り起こしに参加したが、大変根気のいる作業であることが分かった。カモ類を驚かすことなく作業する為、手作業で効率良く作業出来る道具があればなと心に思ったしだいです。
D 古利根川一斉清掃に参加して2回目となります。屋敷林があり、野鳥が多く集まる所の清掃を、埼玉県生態系保護協会春日部支部が受持っている。そこの場所は川が緩いカーブで曲がり、川の流れの当る所で、ごみの集まり易い場所となっている。ごみは主にプラスチック類が多く漂着している。その漂着物を拾い、護岸をきれいにする清掃を行った。その場所は、護岸が水の流れで毎年浸食され、大木が浸食により倒れて護岸が少しずつ無くなっている。大木が無くなると野鳥類がいなくなるのではないかと心の中で心配した。
E 中央公民館主催の野鳥観察会の協力に参加は、2回目となります。市民参加者が20〜30名で、皆さん自然にふれあうことをとても喜んでおりました。2回しか参加しませんが、今回グループ分けによる観察が皆さんの評価がとても良かったことを心の中で嬉しく思いました。

これらの活動を通して少しずつ無理することなく埼玉県生態系保護協会春日部支部の活動に参加して行きたいと思う今日この頃です。

ごめんね、かもさんたち

               

土田 ひかり(10さい)

私は自然観察が大好きです。今年見られたいろいろな生き物の中から、特に心に残っていることを紹介します。
*ヤモリ!!
 私の家の庭には、時々ヤモリがいることがありました。でも、すぐすき間に逃げ込んでしまうので、じっくり観察することができませんでした。
 ある日、お兄ちゃんがサッとアミを振り下ろし、捕まえてくれました。飼育ケースにいれて観察しました。初めてゆっくり観察するヤモリは、どこもかしこも、変わっているところだらけでした。目はとても迫力があり、動きがとてもすばやかったです。指が5本に分かれていて、裏にはたくさんのギザギザがついていました。すばやくいろんな所にのぼったり出来るのはギザギザが吸盤の役目をしているからだとわかりました。

 デジタルカメラで何枚も何枚も、写真を撮りました。大半はピントが合っていませんでしたが、2枚だけとてもすごい写真が撮れました。そのあと、庭ににがしました。
 ヤモリのことを調べてみたら、埼玉県では絶滅が心配されているニホンヤモリが正式な名前です。夜行性で虫などを食べるそうです。家の周辺で生息していて
家を守ると信じられていることが名前の由来だそうです。日本ではヤモリが家にいる間はその家には悪いことが起こらないと言われているそうで、私の家族が毎日
楽しく暮らせているのがヤモリのおかげかもしれないと思いました。
 ヤモリを観察してから数日後、お父さんが、「赤ちゃんヤモリがいるぞ」というので行ってみたら、窓に小さなヤモリのシルエットが、うつっていました。私が
虫がいっぱいいる庭を守るから、大きくなって、たくさん子孫を残してほしいなぁと思いました。ヤモリが観察できて、とてもうれしかったです。

*ラブラブキジバト
 私の家のそばの電線にキジバトのつがいが毎日とまっています。
私は、「仲がいいなぁ」と思いながら、いつも見ていました。ある日そのキジバトが、庭のキンモクセイの木にやって来ました。どうやら巣をつくりたいようです。メスが気に入った枝にとまると、オスが巣を作るための小枝
を拾い始めました。小枝を拾うと、メスのところに持っていくのですが、メスはその小枝が気に入らないらしく、せっかく拾ってきた小枝を、下に落としてしまいました。何回かその行動を繰り返しているうちに、メスのとまっている木の下には、小枝の山ができてしまいました。オスがかわいそうになって、気に入りそうな枝をひろってそっとおいておいてあげたりしましたが、メスはその枝も気に入らないらしく、他の枝と同じように捨ててしまいました。
 キジバトは、巣を作るのをやめたらしく、そのあとしばらく庭に来ませんでした。でも、キジバトはいつもの電線に、くっついてとまっていました。あんな事があっても、嫌いにならないなんて、キジバトはすごいなぁと思いました。
 そのあとしばらくして、赤ちゃんキジバトが2羽庭に来ました。目が黒くて、背中の模様があざやかじゃないし、スマートなので赤ちゃんだとお母さんが教えてくれました。観察していると親のキジバトが飛んできて赤ちゃんに口うつしでビジョンミルクをあげました。私の家のキンモクセイは気に入らなかったけど、ほかのステキな場所で赤ちゃんを育てたのだと思います。でも、私の家の庭が安心だから、赤ちゃんを連れてきてくれたのだと嬉しくなりました。いつか私の庭の木に巣を作ってほしいです。

田んぼ道で思ったこと

               

柳澤 一重

 


谷川俊太郎さんの詩にこんなのがある。

 ほんはほんとうは
 しろいかみのままでいたかった
 もっとほんとのこというと
 みどりのはのしげるきのままで
いたかった

 だがもうほんにされてしまった
のだから
 むかしのことはわすれようとおもって
ほんはじぶんをよんでみた
 「ほんとうはしろいかみのままで
いたかった」
 とくろいかつじでかいてある
 わるくないとほんはおもった
 ぼくのきもちをみんながよんでくれる
 ほんはほんでいることが
 ほんのすこしうれしくなった

 私の今の家は谷原である。このあたりが区画整理されて市街化地域になったのはもう30年ばかり前になる。ここは江戸時代に新田開発された谷原新田とよばれているところである。その開発の苦難の歴史をとどめる三郎塚と碑が道路脇に残されている。私はほんのちょっと前までは田んぼだったことも忘れ、ましてやここを開いた苦労など何も思わずに、田んぼをつぶして家を建て平和にのほほんと暮らしている。
 私の散歩道は10年ほど前から上大増・下大増の田んぼ道になっている。真夏の街は夕方でもむせ返る暑さでとても歩けないので、自転車で町を抜け少しは涼しい田んぼの中へ移動してから歩くことにしているのである。この大増の田んぼもウィングハットやその周辺にグラウンドなどが作られ、地区の農家の皆さんが大反対している産業廃棄物処理関連の企業が進出を計画しているなど、田んぼが侵食されつつある。
ごく最近まで蛍が見られた田んぼもこうしてつぶされていくのだろうか、とさびしい思いにかられる。そしてふと冒頭の詩を思い出した。
 この詩の「本」を「この土地」とでもおきかえてみて、変り果てた土地はよろこんでいるのだろうか、ほんとは田んぼのままでいたかったといつまでも思うのではないか、なんて考えてしまったのである。
 春日部が単なる東京のベットタウンとなるのか、川も田んぼも屋敷林もある緑豊かな町として次世代に残されていくのか。市の政策が問われているのではないだろうか。

 

事件は現場でおきていた(4)

               

輪島正

 

事件と言ってもいわゆる警察沙汰や交通事故などではない。自然観察に出掛けて時に、私自身が出会った驚きや感動の事である。
実際、自然観察のフィールドはいつも驚きに満ちている。同じ場所でも去年と今年はどこかが違って、新しい気付きや発見がある。それは、本や図鑑、講演会やセミナー等からは得られない、中身の詰まったものである。
おそらく、自然の現場では毎年同じことが繰り返されているのだろうが、今年初めて気付いたと感じる事が多い。去年も同じものを見ているはずなのに、ただ解説を聞いているだけでは、その場所から離れて10分もすると忘れてしまう。そうならないようにメモをとっても、後で読み返してみるとその時の状況が思い出せない。絶対に思いたくないのだが、「歳のせい」という言葉が頭をよぎる。
ところが、不思議なことに事件だと感じた時はメモをとらなくても殆ど忘れない。驚いたり感動したりした事は、しっかり記憶に残るらしいのだ。気持ちが若返るって事だろうか。少なくとも「歳」のことは気にしなくても良さそうである。
地球温暖化で自然界に影響が及んでいると言っても、一年の間に吃驚(びっくり)するほど急激な変化が起きているはずはないから、事件が起きているのはフィールドの中ではなく、自分の頭の中だった、と言う事なのだろうか。
そんな事どうでもいいや、これからも新鮮な刺激(?)を求めて観察会に出掛ける事にしよう。

魚はどこから

小学校の課外授業で庄和総合公園の中で自然観察をする事になった。公園の池にどんな魚がいるのか子供達に見せたいと思い、観察会の当日池に流れ込む水路の一角にトラップ(わな)を仕掛けたら、体長3〜4センチの小魚が数匹かかった。魚の事などあまり良く知らない我々にも思いつくメジャーな名前の魚ではなく、いわゆる雑魚である。川遊びに慣れていない子供たちはあまり興味を示さなかったが、これらの魚が何処から来たのか、疑問が残った。
1.池の水源は、公園東側の築山の上に地下水を汲み上げたもので、終末は公園西側に隣接する排水路に勢いよく流れ込んでいる。落差は15センチ以上あって小さな魚が進入出来るものではない。外部から来たとすればそのルートは何処か。
2.公園が出来た当初から池には鯉が放されていた。その時同時に放されたものだろうか、あるいは後から誰かが持ち込んだものだろうか。
3.「魚は湧く」と、昔誰かに聞いた事がある。何もない窪地のような場所に大雨などで水が溜まって池のような状態が続くと、いつのまにか魚が現れると言う。それが本当なら、公園になる前は田んぼだったのだから、あり得る事である。
はたして真実はどれだろう。
               

★平成20年度活動報告★


平成20年度活動報告
地球環境が急速に悪化しているのではと感じさせる異常気象の1年だったような気がします。私たちの活動がどのくらい市民の皆さんや子どもたち、そして行政に理解され、刺激になっているかわかりませんが、今年度も従来から地道に続けている活動と新たに試みたイベントなどを通して環境、とりわけ自然の生きものとその保全への関心を高めていただくために微力をつくしてきました。

T 自然のすばらしさと大切さを伝える活動
★観察会
 ○古利根川自然ふれあい観察会
  毎月第4日曜日9時30分から約2時間 11回
 ○谷原親水広場 夏休み子ども虫取り大会
  8月9日
★講師派遣
 ○中央公民館主催の観察会・講師
  4月26日 春の野草(八幡神社近辺)
  2月7日  冬の野鳥(古利根公園橋近辺)
 ○市の環境保全リーダー養成講座・講師
  10月19日(日) 室内講義   
  11月16日(日) 野外観察(ウィングハット春日部)
 ○市の環境出前講座・講師
  市内の小学校(12校)4年生を対象に
  市内で見られる生き物についての話と観察
 ○南桜井小学校 寺子屋支援
  自然観察会  6月、11月
 ○武里西小学校 総合学習講師
  3年生 昆虫の話
 ○東中学校 理科授業支援 自然観察
  3年生 室内1回 野外観察1回(6月23日)
  2年生 室内1回 野外観察1回(6月20日)
 ○3Days 協力(中学1年生職場体験学習)
  11月谷原親水広場砂礫地の草取り(コチドリの営巣地)
 ○春日部サンデー
  10月から1月まで計4回
★広報活動
 ○春日部市環境フェア 参加
  11月 大沼市民体育館
  春日部の自然と当支部の活動紹介のパネル展示
 ○支部報発行  5月(年1回)
 ○自然観察読本「古利根川の自然ガイド」発行
   1月出版。
   市教育委員会へ305冊を寄贈。

U 自然を守り、育てる活動
★ビオトープ管理
 ○谷原親水広場ビオトープ自然観察・管理作業
  毎月第2土曜日9時から約2時間 
  今年度から指定管理者制度になったが、
  定期的に話し合いを持ち、進めてきた。
★調査活動
 ○県下一斉ガン・カモ調査
  1月11日 古利根川橋から公園橋まで
 ○春日部散歩 
  市内の生きもの調査 9回
★植生保護活動
  ウマノスズクサ(絶滅危惧種のジャコウアゲハの食草):永沼 西金野井
  ナガボノシロワレモコウ:八丁目、不動院野
★環境整備
 ○古利根川一斉清掃 参加
  3月8日(藤塚橋南の屋敷林縁)

V そのほかの活動
★役員研修
 7月 北本自然観察公園(蝉)
 8月 北本自然観察公園(蛍)
 6月、9月、10月 越谷オリザネット(田んぼの生きもの)
 2月 多々良沼(冬の鳥)
★他団体との交流
 ○古利根・中川ネットワーク
  6月1日 野草サミット開催 
★市への協力
 ○市環境審議会
  審議委員として参加
 ○公園課
  樹木管理等の提言